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教育業界の最新トレンド(1):日本を取り巻く留学事情

このブログは、2016年2月9日に Inside AdWords-Japan 公開されたものです。

 

 

Posted by Chi Tran 教育業界担当 インダストリーアナリスト

少子化が叫ばれるなか、日本の教育業界も変革を迎えようとしています。特に「英語教育の刷新」「留学生の増加」「ICT 教育の推進 1)」など、グローバル化やオンライン化に関わるトピックスが目立ちますが、インターネットユーザーの検索動向にはどう影響しているのでしょうか?

第 1 回は「日本を取り巻く留学事情」を、アウトバウンドとインバウンド2) 双方の観点で、検索トレンドから読み解いていきます。
(第 2 回は、校外学習 3) に関わるインターネット活用状況を読み解きます)

1) ICT は、Infromation and Communication Technology の略称。教育現場において情報通信技術を駆使しようとする動き
2) アウトバウンド:日本から海外への留学、インバウンド:海外から日本への留学
3) 通信教育、学習塾、家庭教師、自宅でのオンライン学習などの、学校外の教育サービス

  1. アウトバウンド(日本から海外へ)

 

  • 日本における「留学」関連の検索数は、OECD 諸国の中で最も多い
  • 「留学の形態」として、地理的・時間的条件が緩いものの検索が増えている
  • MBA 留学は、海外よりも国内大学の検索数が上回る


文部科学省によると、日本人の海外留学者数は 2004 年をピークに長らく減少傾向にありました 4)。2012 年はやや持ち直していますが、世界的には依然として少ない状況です。ところが「留学」に関連する検索数は OECD 諸国の中で最も多く、2015 年は対前年比で 10% 伸びました。






どのような検索が伸びているのでしょう?「留学先」に関する検索トレンドは 2011 年夏頃に変曲点を迎え、「アメリカ」が減少する一方で「フィリピン」や「韓国」など日本から地理的に近い地域が伸びています。




「MBA」に関する検索数も伸びていますが、海外 MBA よりも日本国内の MBA に対する検索の方が多く、伸び率も高い状況です。



以上のような検索トレンドからは、日本人の留学に対する堅調なニーズがうかがえます。しかし留学先や留学形態については、なるべく地理的・時間的条件が緩いところで学習ニーズを満たそうとする傾向が見られます。

4) 詳細は文部科学省の「日本人の海外留学者数」を参照ください。
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ryugaku/1345878.htm

  1. インバウンド(海外から日本へ)

 

  • 特に東南アジアにおいて、アジアの主要大学に対する検索が顕著に伸びている
  • 海外からの検索数において、日本の大学は韓国・中国・シンガポールに劣後
  • 日本の大学と他のアジア諸国の大学では、海外から最も検索される時期が異なる


海外へ渡る日本人留学生だけでなく、外国人留学生を増やそうという動きも強まっていますが、日本の大学は海外でどのように検索されているのでしょうか?この章では「アジアにおける日本」という観点で、日本の大学の検索トレンドをアジアの他の主要大学 5) と比較していきます 6)

5) アジアの主要大学:日本、韓国、中国、シンガポール、香港、台湾、インドにある大学のうち、海外からの検索数が一定以上の大学を対象とする
6) 自国における自国の大学の検索は除外(例:日本における「東京大学」の検索など)

(1)どの国でよく検索されるのか?(検索している学生の出身国)


アジアの主要大学についての検索が最も多く行われている国は、世界でも有数の留学生輩出国であるアメリカとインドですが、直近では東南アジアの新興国からの検索数が顕著に伸びています。


(2)どの国がよく検索されるのか?(検索対象の大学がある国)


しかし検索されているアジアの主要大学を、大学の所在国別に見ると、日本の大学の検索数は韓国・中国・シンガポールの大学に依然として引けを取っています。直近で検索数は 14% 伸びたものの、韓国・中国との差は縮まっていません。



注)2015 年にインドの大学の検索数が大きく減少しているのは、インド・パキスタン間の緊張状態が影響していると考えられる


要因の 1 つは入学時期の差異にあると考えられます。日本の大学は 4 月入学が一般的です。一方で韓国・中国の大学は、9 月入学が一般的である諸外国からの留学生を受け入れられるよう、秋入学(9 月入学)を積極的に解放しています。この入学時期の差異が、結果的に検索数の差を生む一因になっているのではないでしょうか。

なお、留学生は入学の約半年前に当たる出願開始時期に、志望大学に関する情報収集を最も行います。そのため、秋入学(9 月入学)を解放しているアジア諸国の大学は 3 月が、 4 月入学が一般的な日本の大学では 10 月が、海外からの検索の繁忙期になっています。




また日本の大学名だけの検索数ランキングを見ると、TOP 10 の大部分に SGU(スーパー・グローバル・ユニバーシティ)7) に制定された大学が並びますが、アジアの主要大学ランキングではようやく 9 位に日本の大学が登場します。




大学名の検索ランキングは、各大学の学術的な功績なども影響するため、必ずしも「留学」に関わるニーズを全面的に反映しているとは限りません。しかし入学時期の差異が後退要因の 1 つであるならば、海外で留学気運が高まる 3 月期前後に日本の大学の存在感を高めることが、留学生の更なる獲得への一歩となりえます 8)

留学や進学を考える世界中の学生や親が、大学・学校を決める際にインターネットを活用するようになっています。こうしたインターネットユーザーに対するアプローチには、検索広告を始めとするオンライン広告も、ぜひ積極的にご活用ください。

第 2 回は、校外学習サービスを決める際、また利用する際に、インターネットをどのように活用しているかを読み解いていきます。


7) 日本の大学の国際競争力を高める目的で、重点的な財政支援の対象となる大学。文部科学省が 2014 年に制定
8) 入学時期の差異が最たる阻害要因であれば、韓国・中国の主要大学のように秋入学の解放を推進していくことも、打開策の 1 つと考えられる

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