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調査から明らかになったマルチスクリーン ユーザー解体新書(前編)

このブログは、2013年12月16日に Inside AdWords-Japan 公開されたものです

 

 Posted by 多田 翼 / マーケティングリサーチ マネージャー

 


2013 年、富士山がユネスコ世界文化遺産に登録されました。

私はそのニュースをテレビで見た時、ふと、日本で 2 番目に高い山はどこかが気になりました。自分ではすぐに思い出せなかったので、スマートフォンで「日本で 2 番目に高い山は」と検索してみることに。手元の小さなスクリーンには山梨県の「北岳(きただけ)」と表示されました。

今、多くの人がパソコンだけではなくスマートフォンも持つようになっています。タブレットの利用も増えてきているようです。このようなマルチデバイス環境下で、人々はどのような情報行動を取っているのでしょうか?マルチデバイスを保有する誰もが、スマートフォンを片手にテレビを見ているのでしょうか?



Google では、マルチデバイス環境化における、ユーザーのメディア情報行動を明らかにする「マルチスクリーン調査」を実施しました。ここでは、調査結果をご紹介します。

 


■シングルソースパネルでの分析

今回の調査ではインテージ社のシングルソースパネル「i-SSP」のデータを使いました。

シングルソースパネルでは、調査対象者一人ひとりのパソコン・スマートフォン・テレビの視聴行動を詳細に分析することができます。パソコンとスマートフォンのブラウザからのインターネット利用や、スマートフォンのアプリ利用、テレビでは対象者が家庭内で見たテレビ番組や CM(録画視聴含む)が分析対象になります。ユーザーの記憶には残らないような情報接触行動まで分析することができます。

今回の調査対象者は、テレビがあり、パソコンとスマートフォンを保有しているマルチデバイス環境下の人としました。シングルソースパネル内から該当する約 500 人を選び、マルチデバイス保有人口構成に合わせ、2013 年 6 月 1 日から 6 月 30 日の 1 ヶ月間のメディア行動を分析しました。ちなみに、テレビ・パソコン・スマートフォンを保有している人は 3 人に 1 人の割合です(日本全国の 20 代〜 60 代男女 / 2012 年インテージ調べ)。



■メディア行動でマルチスクリーン ユーザーを分類すると・・・

まず取り組んだ分析として、マルチスクリーン ユーザーのメディア行動を分類しました。

テレビ・パソコン・スマートフォンを使って、①いつ、②どれだけの時間をメディア視聴しているかの行動の違いに着目しました。この条件でメディア行動が似ている人が同じグループに属するよう統計的に分類した結果、5 つのグループができました。

5 つのグループに対し、視聴テレビ番組・インターネットサイト / 利用アプリ・購買意識や生活意識などの各種データから特徴を明らかにし、それぞれに名前をつけてみました。以下の()内の % の数値は、テレビ・パソコン・スマートフォンを保有している人を 100 とした場合の人数構成比です。



1. キマジメ大食らい(全体の 22%)

  • デバイス利用時間全体が長く、朝起きたら “ON” 状態にするのが習慣。雑誌の購読数も多く、ニュースや情報番組で知識をどんどん蓄積させていく。メディアは取捨選択型ではなく追加型
  • 人付き合いに関しては、これ以上は広げなくてもいいと感じている
  • 買い物をする時はしっかり検討する慎重派

 

 

2. ハラハチブ自由人(全体の 15%)

  • テレビを見るのは夜くらいで、それ以外の時間では見ないほう。パソコン利用も夜型。スマホ利用は比較的少なく、パソコンを使う。雑誌はあまり読まない
  • 心にゆとりをもって自分だけの時間を大切に過ごしたい。広く浅い人付き合いを好まず、ガヤガヤした場所が苦手。SNS も騒がしい空間と感じる
  • ものを買う時に比較検討はあまりしない

 

 

3. ヒマツブシ貴族(全体の 30%)

  • テレビもパソコンもスマホも楽しく時間をつぶすため。テレビ番組はワイドショー好き。スマホでは写真を撮ったり、動画を見たり。家にいる時間はテレビをつけながらパソコンやスマホを見ている
  • 何でもネットで済ませてしまわず、生活の充実感はリアルな人間関係の中で感じていたい。付き合いや交際のための支出は削れない
  • ショッピングが好きで、ついつい衝動買いしてしまうことも

 

 

4. 探索ナルシスト(全体の 22%)

  • パソコン利用が少なく、メインデバイスはスマホに移っている。気になったことはすぐに調べたい性格で、家でパソコンを立ち上げるまで待てずにスマホで検索
  • 他人にどう見られるか?ではなく、自分は自分という意識が強い。情報に踊らされるのではなく、自分の価値観を重視したい
  • 価格サイトや企業の HP をスマホからチェック、ネットショッピングをするときはパソコンの大画面で慎重に行う。スマホとパソコンのメディア間の使い分けが明確

 

 

5. 社交的ハンター(全体の 12%)

  • テレビよりもパソコンやスマホの利用時間が長い。テレビ・パソコン・スマホは深夜帯 (23 時以降)での利用が多いのが特徴。オンラインはつながるため、情報を得るためのもの
  • たくさんの人と交流できる場所、ネットワークづくりが大好き
  • 人とつながるために、常にアクティブに情報を収集し、自分で編集・加工して発信。パソコンやスマホをフル活用して、SNS やメッセージアプリから気に入ったブランドや話のネタになる情報をシェアしていたい

メディア行動によるグループ分けからわかったことは、マルチスクリーン ユーザーのメディアとの関わりは全員が一様ではないこと、パソコンやスマートフォンが普及したからテレビが見られなくなったなどの単純なトレードオフではないということです。今回の分析では 5 つのグループに分かれたように、多様性も無限ではありません。

この 5 つのグループ分類において、もう 1 つ発見がありました。性別年代の偏りが私たちが事前に思った以上に小さかったことです。

これまで多くのメディアプランナーは、メディア行動に影響する要因は男女や年代であると考えてきたと思います。テレビはテレビ、パソコンはパソコンとしてとして捉えると、そのような結果になることが多いからです。しかし、これをテレビ・パソコン・スマートフォンのクロスメディアで捉えると、その定説は必ずしも当てはまらないのです。

分析結果の前編はここまでです。

次に進めた分析では、テレビの視聴中にパソコンやスマートフォンをどのように使っているかを明らかにしました。結果については、後編でご紹介いたします。

後編はこちら

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