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Google アナリティクス 学習資料
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効果的なアクセス解析を行うための前準備

1. なぜ前準備が必要?

昨今のWebページにおいては、ページ内で様々なユーザーアクションが発生します。例えば、「スマートフォンにおける電話番号リンクのタップ」や、「ソーシャルネットワークへのコンテンツのシェア」「PDFファイルの閲覧」のようなユーザーアクションは、デフォルトのGoogleアナリティクスでは計測することはできず、サイトごとのカスタマイズが必要になります。これらの計測には、一般的にイベントトラッキングと呼ばれる手法が用いられます。

 

しかしながら、Googleアナリティクスが設置されているサイトのうち、イベントトラッキングが行われているサイトは約42%しかありません半分以下というのが現状です(Sunfishのチェック計測結果を元に集計)。

 

イベントトラッキングだけでなく、Googleアナリティクスには初期設定時にやっておくことが望ましい設定がいくつか存在します。これらの設定を最初にやっておくことで、以降のサイト解析の自由度を高めたり、定期的にウォッチしたい項目を簡単に見ることができるようになります。


この記事では、最初にやっておくべき設定項目のうち、管理画面から手軽に設定することが可能な項目について説明します。

 

 

2. 必ず抑えておきたい設定項目

ここで紹介する設定項目は、単純な設定で済むものだけで、公式ヘルプに記載されている方法に従って設定を行えば、30分程度で設定が完了します。設定自体は単純ですが、この設定を行うことで、分析の視点を増やすことができるものもあれば、より精緻なデータ計測に繋がるものもあります。

短時間で設定が完了する項目ですので、自身のGoogleアナリティクスを確認し、まだ設定されていないようでしたら、設定を検討してみてください。

 

 

2.1. ボットのフィルタリング設定

みなさんのWebサイトにアクセスしてくるのは、人間だけとは限りません。人間以外に「ボット」と呼ばれるプログラムがサイトにアクセスしてくることも多々あります。例えば、検索エンジンやRSSリーダーサービス、ソーシャルメディア、その他様々なサービスにおいて「ボット」が活躍しています。Googleアナリティクスにデータ送信を行わないボットは多いですが、一部のボットはGoogleアナリティクスにデータを送信してしまいます。

 

このような「ボット」を計測対象に含めないために、Googleアナリティクスの管理画面の設定を変更する必要があります。

 

ビューの管理権限が必要ではあるものの、設定は非常に簡単で、ビュー設定の中にある「ボットのフィルタリング」のチェックボックスをONにするだけです。数分でできる設定内容なので、この機会にチェックされているか確認してみましょう。

 

なお、Weサイトにアクセスすることなく、Googleアナリティクスに計測データだけを送り付けるリファラースパムも存在します。リファラースパムについては3.2で説明します。

 

2.2. コンバージョンの計測

コンバージョンを設定することで、サイトへの訪問のうち、あなたの望む行動を取った訪問がどのくらいあるのかを知ることができます。

 

分かりやすい例では、ECサイトにおける「会員登録」や「商品購入」、B2Bサイトにおける「資料請求フォームの送信」などが挙げられます。しかし、コンバージョンは「会員登録」や「商品購入」「フォームの送信」だけを指すものではありません。「サイト内に5分以上滞在した」であったり「サイト内を5ページ以上閲覧した」、「サイト内の特定のページ(コーポレートサイトにおける「企業概要」や「IR情報」ページなど)を閲覧した」も1つのコンバージョンと捉えることも可能です。

 

Googleアナリティクスでは、コンバージョンの設定は1つのビューあたり最大20個まで設定することが可能ですので、些細なものであっても「ユーザーにこういう行動を取ってほしい」と思ったものを登録しておくのがよいと思います。

 

関連するGoogleアナリティクスの公式ヘルプページ

 

2.3. 関係者によるアクセスの除外

サイトにアクセスする人全員のアクセスデータをGoogleアナリティクスで計測する必要はありません。そのサイトに関わる人(マーケティング担当者だけでなく、サイト制作の担当者など)は、サイト内のページを何度も何度も閲覧します。結果として、「サイト滞在時間」「ページ/セッション」といった指標には異常値が紛れ込んでしまいます。この異常値は「コンバージョン」にも表れてきます。マーケティング担当者やサイト制作の担当者は「正しくフォームが動作しているかの確認のため」「新機能の開発のため」に何度もコンバージョンすることがあります。

 

そのような異常値を含むデータで意思決定しなくてもいいように、最初のタイミングで関係者によるアクセスは除外する設定をしてしまいましょう。

 

関連するGoogleアナリティクスの公式ヘルプページ

 

2.4. サイト内検索の設定

あなたのサイトには、「サイト内検索」機能はありますか?もし、サイト内検索機能があるなら、サイト内検索の設定は最初にやっておくべき設定の1つです。

 

サイト内検索機能を設定することで、あなたのサイトでの検索窓でユーザーがどのようなキーワードで検索したか(つまりは、ユーザーのニーズ)を知ることが可能になります。昔であれば、自然検索キーワードを取得して、ユーザーのニーズを分析することができていましたが、検索エンジンのSSL化が進んだ結果、自然検索キーワードを取得することは難しくなりました。しかしながら、サイト内検索機能を持つサイトであればGoogleアナリティクスの管理画面からの設定のみでサイト内検索キーワードを分析することが可能になります。

 

関連するGoogleアナリティクスの公式ヘルプページ

 

2.5. 計測URLの正規化

サイトの制作方法や、実施しているウェブマーケティング施策によっては、同一コンテンツのページに対して、複数のURLが発生してしまう可能性が考えられます。例えば、他のマーケティングツールで利用するクエリパラメーターがURLに付加されているパターンであったり、サイト内のシステムが動的にパラメーターを付加するケース(注文コードや、会員登録プロセスにおけるメール認証コードなど)、TOPページに対して http://example.com/http://example.com/index.html の2種類のURLでアクセスできるケースなどがあります。

 

上記のような動きをするウェブサイトであるにも関わらず、Googleアナリティクス側で適切な設定を行わない場合、Googleアナリティクスではそれらを別のページとして解釈・カウントします。別ページとしてカウントされてしまうと、

  • 同一コンテンツを合算したページビュー数や、離脱率、直帰率、ページ滞在時間などの指標を集計するのに手間がかかる。
  • 指標「ページの価値」を活用しようとしても、ページの価値が分散されてしまい、活用できない。
  • 各ページをテーブルフィルタやアドバンスセグメントで抽出するたびに、毎回複雑な正規表現を書いたり、複雑なAND/OR条件指定をしなければならなくなる。

といった事態が発生し、解析効率が極端に低下してしまいます。

 

これらの状態を避けるためにも、定期的にGoogleアナリティクスで計測されているページURLの一覧を確認し、同一ページであるにも関わらず、別のデータとして集計されてしまっているものが存在しないか確認しましょう。もし、別のデータとして集計されてしまっている場合は、「ビュー設定」の中にある「デフォルトのURL」や「除外するURLクエリパラメーター」機能を使って、計測URLの正規化を設定しましょう。

 

また、「デフォルトのURL」や「除外するURLクエリパラメーター」機能では正規化できないケースでも、少し複雑になりますが「ビューフィルタ」機能を用いて計測URLを書き変えてしまったり、元々のページビュー計測のタイミングで、仮想ページビューを使って書き変えてしまう、といった方法もあります(実は、Googleタグマネージャで「 https://tagmanager.google.com/#/container/accounts/170810420/containers/1943502/workspaces/24/tags 」にアクセスしたときに送信されるページURLは、仮想ページビュー機能を使って、「/container/accounts/:accountId/containers/:containerId/workspaces/:containerDraftId/tags」となっており、集計時にアカウントIDやコンテナIDがIDのまま表示されないような工夫をすることで、同一ページの計測をまとめています)。

 

関連するGoogleアナリティクスの公式ヘルプページ

 

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3. 定期的に、念のため確認しておきたい設定項目

ここで紹介する設定項目は、定期的なチェックが必要となる可能性のある設定項目です。導入当初は問題なかったとしても、時が経つにつれて、サイト構成の変化や、利用するマーケティングツールの変化、外的要因によって突如問題が顕在化することがある項目です。さらには、サイトによってはこの問題が発生することでデータの信ぴょう性が著しく損なわれる可能性もあります。

 

3.1. ダイレクト流入の割合が異常でないか

サイトへの流入経路を見る際は、「参照元 / メディア」レポートや「チャネル」レポートを用います。これらのレポートは、自然発生した流入(カスタムパラメーターを用いていない流入)については、リファラーと呼ばれる情報を用いて「自然検索」「他サイト流入」「その他」の何れかに分類します。

この分類を行う際に、リファラー情報が取得できなかったものは全て「その他」(ダイレクト流入)として分類されてしまいます。

 

ダイレクト流入は、どのようにしてサイト流入に至ったかが分からないため、サイト解析を困難にします。実際、サイトへの流入が大きく増加したにも関わらず、その流入チャネルがダイレクト流入であったために、なぜ流入数が増えたかが分からないサイトも存在します。

 

ダイレクト流入として計測されたものの中には、どうしようもないものも存在します。しかしながら、「サイト構成」や「トラッキングコードの設置方法」に起因してダイレクト流入と計測されるケースも存在します。

 

サイト公開後やタグ設置後、一定期間が経ったものについては、全ての流入のうち、ダイレクト流入の占める割合をチェックしてみてください。もし、ダイレクト流入の占める割合が50%を超えるようであれば、何らかの問題が隠されているかもしれません。

 

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3.2. リファラースパムが紛れ込んでいないか

Googleアナリティクスを見ているユーザーを狙ったスパムが2015年ごろから流行っています。スパムサイトへの流入を増やすために、スパマーは偽のページビューを送信します。スパムの量はタイミングによってバラバラですが、多い月では500PV近くのページビューがスパムによって水増しされることもあります。大規模サイトを運営している場合は500PV/月であれば誤差程度と捉えて気にしないパターンもあります。しかしながら比較的小規模のサイトの場合は、ページビューだけでなく、直帰率や平均セッション時間、PV/セッション、コンバージョン率といった多くの指標に深刻な影響を与えます。

 

リファラースパムを防ぐためには、「ビューフィルタ」機能を用いることが一般的です。また、ビューフィルタは、「スパムデータを除外する」とは考えずに、「正しいデータのみを計測する」ような設定をするようにするべきです。

 

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5. まとめ

普段の業務に追われていると、Googleアナリティクスの設定チェックまで気が回らないことも多いと思いますが、この機会に今回紹介した7項目の設定状況がどうなっているか、チェックしてみてはいかがでしょうか。

 

ここで紹介したチェック項目以外にも余裕があれば、

  • 「コンテンツグループ」や「カスタムディメンション」など比較的新しい機能を活用できているか
  • ページ閲覧以外の、サイト内で発生する様々なユーザーアクションが計測できているか
  • 広告やメルマガなど外部施策によるトラフィックの増減が計測できているか

などについてもチェックしておくことが推奨されます。

 

また、チェックした結果、対策が必要だけれども、、どう対策したらいいのか分からないときは、Google広告主コミュニティで質問してみてください。

概要 良太 山田

2010年に株式会社オロにプログラマーとして新卒入社。 以後3年半、自社のサービスであるERPパッケージ(ZAC)の開発に携わったのちに、同ERPパッケージのマーケティングチームを経て、Web広告運用・Webマーケティングを行うチームの立ち上げに参加。 現在は、プログラマー経験を活かして、AdWords Script/APIのプログラムコード開発、Google Analyticsのトラッキングコードのカスタマイズ、Google Tag Managerといったテクノロジー領域の推進に取り組んでいます。自身のブログ「SEM Technology」では、GA/GTM/AdWordsのマニアックなテクノロジー領域の情報を発信しています。

コメント
投稿者 カグア
1月 2017
有用な記事ですね。 山田さんらしい、丁寧かつ現場視点で必要な情報が網羅されていると思いました。適切な分析には適切なトラッキングが重要なのだと再認識しました。 ありがとうございます。